合格体験記
東京ミッドタウン着
朝8時、前回同様に30分前には到着し、1階のソファ(?)に掛けてノートPCを開きウォーミングアップ。今さら何かを覚えるということもなく、指慣らしに練習問題を解いていく。その日の受験者次第ではブリーフィングに時間がかかることもあるのでウォーミングアップというのも微妙な気もするが30分の時間潰しにひたすらキーを叩く。
21F
エレベータを降りると左前方には既に他の受験者の方が数名待機している様子。その隣のガラス越しにはプロクタのジェームスさんも発見。私に気付いた様子で外に出てくる。受付がてら免許証(*1)を見せてと言われ、「KANJIでサイン宜しく」とのことなので、そこは仰せのままに。どうやらあと1名がまだ来ていないようでもうしばらく待ってくれと。10分くらい待つと最後の1名がやってきた。ジェームスさんも外に出てきて受付を済ませ、入館用のカードを配布。「みんなは過去に受験経験あるから説明は省略するよ、さぁ、行こう」
控え室
21階から33階を経由して37階に移動、全員が知っているだろうとラボルームのある棟やトイレの場所、ドアの開閉方法、Coffee Vendorの説明までさらりと流して控え室に入る。荷物を預け、次は注意事項の説明などがあるはずがここも軽く流す。電話の掛け方も以下略。唯一、画面に表示されるメッセージについては口頭で説明してくれました。今日は最速(*2)で突っ走ってる感が凄いジェームスさん、控え室からラボルームに入るように促されたので、I need some drinkと伝えると、OKの一言で早く取って来い的な空気を出しつつ、ドアを開けて押さえておいてくれる。他の受験者も急ぎフリードリンクを取って戻ってくる。これはPC操作の説明は無いかなと予想しつつ、100%期待どおりの対応。各自の名前と座席番号を言われ、各自着席。「xx時xx分スタートだ、Good Luck!」 と直ぐに試験開始。
Troubleshooting
さぁ、どうだと思いつつ見ると過去に受験した時と構成は同じ。とは言え、まったく同じ問題がでるとは思えないので仕込みは違うだろうと思いながらも構成が頭に入っているだけでも全然違うのでラッキーだったかもしれない。
Troubleshooting、Diagnostic、Configuration、どのセクションも順番に解く必要はないが、Troubleshootingは素直に1問目から取り掛かる。あいも変わらず使いづらいキーボードだ。このキーボードを使いやすいと思う人はいるのかと思いながらも、着々と要求どおりの出力を得ていく。Troubleshootingは標準的な配点の問題と高配点問題の2種類があって、真意は定かではないけど、聞く限りでは落とせるのは高配点であれば1つ、標準であれば2つまでとのこと。まずは全ての標準配点を優先して処理していく。制限時間は120分が基本で最大150分まで可能。1問あたり10分程度で解くのが目安でそれ以上に詰まってしまわないように時間管理も重要。とは言え、10分はトラブルを修正して確認するまでの時間だから5分くらい考えてあたりがつけられない問題は素直に後回しにしたほうがいい。
順に処理していくも2問後回しになってしまった。再度取り掛かっても良かったが、まだ見ていない高配点問題に移動。構成上、使われている技術は分かっているが、どこもかしこも疑わしいグチャグチャなコンフィグ。これ必要なのか?ゴミコンフィグなら消しやがれ!と心の中で叫びながらsh 連打でひたすらチェック。時間経過をこまめに確認しながら進め、なんとか高配点問題の1つはクリア。標準配点2問、高配点1問を残し、この時点でほぼ120分経過。
標準配点2問か高配点1問のどちらかをクリアしないと合格は無い。
エクストラの30分を使って高配点を取りにいくか。でも、もし失敗すれば標準2問と合わせて3問落とすことになり、さすがにConfigurationでのリカバリは厳しいだろう。万が一、1問しか解けなくても3問落とすよりかはリカバリの可能性があるだろうと考え、標準配点問題で勝負を決意。
(心の中で)唸ること10分、ついに1問は問題箇所を発見。よし、これで勝ちの目が出てきた。残り20分であと1問だ。しかし、この1問がどうにも分からない。あまりの不明っぷりにやりたくないけどリロードまで実施。sh run をメモ帳にコピペし、wr 連打したのち再起動。明らかに疎通が阻害されているルータはここだから、他ルータに要因は無いと思うんだけどなぁと、待っている間にsh run の中身もチェック。立ち上がってきたのち、再度確認するも結果は変わらず疎通不可。残り10分、今のリロードの影響も考え、念のために影響のありそうな問題の出力を再度確認。他には影響を与えていないことを確認して残り5分で再度sh run を眺めるも全く閃きもなくTime UP。
Diagnostic
問題数もボリューム感もパッと見は過去と同様。これなら30分でいけるかなと取り掛かる。Diagnosticはヘルプデスクの2次窓口のイメージで社内からのエスカレーションに対応するような内容。ええ、こんなのここ見れば一目瞭然だろう、1次窓口もっと頑張れ!と思いつつ、1問解決。残りの問題も構成と設定こそ若干イケてない気がするも、難無くクリア。時間にして5分ほど余り、後半に備えてリフレッシュ。
Configuration 1
さあ、どうだ!と構成をみると見覚えのある感じに高揚感を覚えるが、案の定、同じ問題なわけもなく、パッと見で問題文のセンテンスが違うなと理解。過去の反省を生かし、まずは深呼吸して落ち着く。残り時間、見直し時間、入力に手間取る時間も考慮して各セクションの時間配分をメモ用紙に書きつける。
特に最初のL2セクションは慎重に問題を読み、やることを整理。さらにトラップは無いよなとプリコンフィグのチェック。特に気になる箇所もなかったので設定をメモ帳に書き起こしていく。流し込みもミスを見逃さないようにほどほどの量に抑えて投入。
出ました、なぜここでそんなエラーメッセージがでるんだよ!
メッセージの意味は分かるので設定内容を確認するが設定に問題があるとは思えない。初っ端で躓く訳にはいかないので後でチェックする印だけつけて先に進む。ルータの画面を開き、connectedのチェックも行い、全て疎通OK。L2は先ほどのメッセージ以外は大丈夫だろう。
引き続きL3へ進んでいく。XX機能を設定しろなんて指示がでるような優しい試験じゃないとは言え、また訳のわからん書き方してくれるなぁと思いながらメモ帳にひたすら設定を書き起こしていく(*3)。
あれ、まだ昼じゃないの?と思いつつ設定を書いてはキリの良いところで流しこんでいく。書いては流し込む、そしてsh コマンドでチェック。次のセクションに入るところでランチタイムの合図。2分後に昼だから保存してくれー!の声がかかる。
Lunch Time
受験者全員無言でひたらすかけこむ。この昼の30分って意外に短い(*4)。
Configuration 2
残り4時間、開始前の計画と比べて多少遅れてはいるが悪くはないペース。後半もひたすら問題を読み、やるべきことを整理して、先にメモ帳に書き起こして流しこんでいく。そして一通りの設定が終わり、残り1時間40分。計画と比べて20分遅れだがまぁ良し。まずは問題に指示された出力との一致を再チェック。
え??なんで???????な状態。
メモ帳に書き起こした設定を確認、さらに入力内容も確認。コピペで作っているから修正漏れなら分かるが、なんでそんな極端に違うコンフィグになっているんだ!この類のミス(?)があるってことは全台再度チェックが必要と考え、イマイチ釈然としないまま各ルータの内容をチェック。これ本当に俺の間違いか?見えない小人か妖精がいるんじゃないのか?と思うほどの設定ミス。
全てのチェックと修正を終え、再度、出力一致のチェック。通るべきところは全て疎通OKかのチェック。通信に影響はなくても指示されたとおりの内容になっていないと得点にならないので、さらに最初のセクションに戻り念入りにチェック。ケアレスミスを2個所発見し修正。Troubleshootingのリカバリも考慮すれば満点取る勢いでしつこいくらいにチェック。最初のL2でのメッセージをチェックするも、メッセージが表示されなくなっていた。イマイチ理由は分からないが考えても時間の無駄なのでタスク指示と疎通確認だけ済ませて終了。
残り5分でSave your configuration ! の声。もう一生分くらい保存したよと思いつつ、全台wr 。そしてTime UP。ラボから控え室に移動、みんな帰り方わかるよね?とそそくさと追い出される。
結果
さっそく覚えている情報を整理しようとスタバに向かうが見当たらず。地下のコンビニでテキトーに飲み物を買って1Fの広場に移動。あの納得いかないTroubleshootingの一問も含めて体裁無視でひたすら情報を書き出していく。
5時には追い出され、気が付けば7時。情報は書きつくした感もあり、そろそろ帰るかと思い、一応CCIE Trackerをチェック。
「Pass」の文字発見!
Troubleshootingの成績から正直、期待していなかっただけに、おおっと素で声を出してしまう。一応、メールもチェックするとCCIE Lab Score Reportのメールが来ていたが、まさかの17:25受信。合格時は早くにメールが届くと聞いたことがあったけど、さすがにラボルームから出て30分とか早いだろと思ったが合格なので文句はありません(笑)
こうして足かけ約3年の勉強に成果が出せたことに満足して帰路へ。
*1 ラボを予約すると写真付身分証だ、CCOのIDだ Candidate IDを忘れずにと書かれたメールが届きますが、IDなんか聞かれたことはありません。
*2 今回は相当に端折った感じですが、初回受験者がいれば21階の移動からPCの操作説明まで懇切丁寧に説明してくれます。初回受験の方はご安心ください。操作説明もトラックによって別々なのでR&S以外がいると、場合によっては控室で30分近く待たされることもあります。
*3 過去の受験時も思ったが本当に量が多い。CCOとかあっても見ている暇はないでしょう。ヘルプコマンドも同じです。後半を除き、ほとんどの問題はソラで設定をメモ帳に書き起こせるくらいじゃないと厳しいかなと思います。
*4 昼は最大30分ですが、絶対ではありません。全員が食べ終われば、30分を待たずに試験が再開されることもあります。また、この昼時間を使って、残りの試験時間の説明もあります。
コメント
こうした記事を読むとやる気が湧きますね。
ただその気持ちが長続きしないのですが。。(笑
ほんとCCIEに合格された方はすごいなぁ。
ワンチンさんも目指してるんですね。頑張ってください!
短期で取れるような資格ではないですから、モチベーションの維持や気持ちの切り替えを上手くできるようにすることも必要なことかと思います。
自分の一年前を思い出します。ほんとこんな感じですよねー
そしてジェームスさんは相変わらずだったw
Configが思いのほかよかったんだと思います。そうじゃなければTSがアレなのでPPPFかなぁと思ったんですけど。
> そしてジェームスさんは相変わらずだったw
はい、初受験じゃなかったので、ああ、今回もかって感じですw
antares01様
お世話になっております。
密かに本ブログで情報収集させて頂いておりましたものです。
学習方法やTSの例題、数々のCCOリンク等、大変参考にさせて頂きました。
(個人的には受験時の予約方法等も有り難かったです)
おかげさまで今月無事にR&Sラボに合格することができました!!
今後も記事を楽しみにしております:)
じょるじ様、合格おめでとうございます!
自分の勉強アウトプット用に始めたブログでしたが、お役にたてたようでうれしいです。不定期ですが引き続き更新していきますので暇な時にでも覗きにきてください!
羨ましい限りです。CCIEを取る価値(会社での認め、実力の表示)はあると思いますか。私もぜひ取りたいと思っていますが時間と費用が半端なくて悩んでいます。
確かに費用はかかるし、勉強に費やす時間も膨大です。会社補助とかを考慮せずに全て自腹でいくと50万~100万くらいはかかるでしょう。期間も1~2年はかかると思います。それでも取りたいと思うかですね。
合格者として得られたものは何でしょうか。
年収のアップだったり等。
後、更新はされるつもりですか。
一番の収穫は一つ一つのプロトコルや技術に対して理解が深まり、自信を持ってお客様や営業担当者など他の人と話ができる(説明ができる)ことですかね。
今年転職したのですがその際のアピールにもなり、評価して頂いたと思っています。更新はしますよ。
ANTARESさま
いつも楽しくブログを拝見させていただいています。
ANTARES様は検証はGNS3をつかっていらっしゃたのでしょうか?
その場合L2の検証はどのように実施していましたか?
コメントありがとうございます。
GNS3と中古の3750買っての検証が多かったですね
ANTARES様
いつも拝見させていただいております。
いきなりの投稿での質問をご容赦ください。
私は今年中にLab1回目を受験予定の者です。
現在は、TSとConfigを中心に実機検証中なのですが、
Configを3.5hで完了できるためにはどうすればいいか思考しております。
そこで、”試験中のメモ帳の使い方”についてご教示いただきたく思います。
①数は何個ほど開いておりましたでしょうか?
ex.)例えば、サイトA,B,C毎にメモ帳を作り、
サイトAにはSW1~4が存在するので、
SW1~4のConfigは、サイトA用のメモ帳におこしていく。など
②投入のタイミングはいつ行っておりましたか?
セクション毎に投入するのは効率が悪い気がしており、
初めから終わりまで、メモ帳にのみ起こしていき、最後に全台一気に投入していく方がよいのかな、と思っております。
お忙しい中とは存じますが、ご教示いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
kgatsushi様
コメントありがとうございます。
①私の場合はメモ帳は2、3くらいです。
1) 問題中のサイトや設置機器に関係なく、全てこのメモ帳に書き起こしていました。上から問題順に投入コンフィグを書き起こします。ここにはソラで書き起こしたものや 2)で作成したものなど、最終的に投入したコンフィグだけ残します。
2) コンフィグを書く際に前の問題や機器のshow 結果をコピペし、必要なコンフィグに加工していきます。
構成図や問題、機器コンソールなどデュアルディスプレイとはいえ、かなり画面内にウィンドウが多くなります。メモ帳の数は少な目にしたほうが良いと思います。
②セクション毎(配点のある単位)です。必ずしもセクション毎である必要はないと思いますが、どのような機器トラブルがあるか分かりません。適度なところで投入、保存をおこなうほうが良いと自分は考え、最後に一気に投入という選択はしませんでした。
機器トラブルはなくても、メモ帳を誤って閉じてしまった、無関係な文字をコピペで上書きしてしまった等のリスクもありえると思ってます。メモ帳はCtrl+Zで1回しか戻れないので加工ミスをしないように気をつけたいところです。
Configを3.5h程度は理想ですが、私のころとは問題量なども変わっているかもしれませんので時間は参考程度で良いかと思います。もちろん早くできるにこしたことはありません。絶対にお勧めできない方法は、セクション毎に完璧に入力・見直しOKで進み、全体を通しての見直しをしないことです。とにかく30分でも1時間でもいいので全体を見直す時間を取れるようにすることが必要です。
本番に向けて頑張ってください。
ANTARES様
早速ご回答いただき、ありがとうございます。
また、貴重なTipsをありがとうございます。
今後も更新を楽しみにしております♪